野球教室

基本

無死一塁で打者がショートゴロ。ショートはどうする?

フォース(force)は「力」という意味なので、フォースアウトは「強制的なアウト」という意味になる。
一塁走者は打者走者に強制的に押し出されるから、一塁走者が二塁に達する前に守備側が二塁を踏めばアウトになる。
このケースでは、二塁に送球しセカンドが二塁を踏んでアウト、その後、一塁に送球しファーストが一塁を踏んでアウト。

無死一塁で打者がショートライナー。ショートはどうする?

フライやライナーで打者がアウトになった場合、走者は捕球された瞬間、あるいはそれ以降にベースを踏む必要がある。
このケースでは、ショートはライナーを捕球してアウトにした後、一塁に送球し、ファーストが一塁を踏む。一塁走者が一塁に戻る前ならば一塁走者もアウトになる。

無死一塁で打者がライトフライ。一塁走者はどうする?

もしライトが捕球した場合は一塁走者は一塁を踏む必要がある。
一方、エラーするかもしれない。この場合は一塁を踏む必要はない。
このケースでは、一塁走者はライトが捕球した場合はギリギリ一塁に戻れる位置まで走塁しておき、ライトが捕球したら一塁に戻り、落球したら二塁に進む。
通常は一塁と二塁の中間くらいまで進む。これをハーフウェイという。

無死三塁で打者がライトフライ。三塁走者はどうする?

もしライトが落球した場合、まず間違いなく本塁に進むことができるから、ハーフウェイは不要。
このケースでは、三塁走者は三塁を踏んでライトの捕球を待つ。捕球した瞬間、離塁し本塁に進む。
三塁走者が生還した場合、このフライを犠牲フライという。打数にカウントされない。

二死満塁でフルカウント。走者はどうする?

3ボール2ストライクをフルカウントという。二死ならばストライクならば三振でチェンジ、ボールならば四球で各走者は進塁となるので、走者は盗塁しても自分がアウトになることはない。そのため、二死フルカウントでは走者は必ずスタートする。これを自動走塁、オートスタートなどという。
このケースでは、投球と共に各走者はスタートする。
なお、三塁走者が早過ぎると打者と交錯したり打球が至近距離で当たったりするので注意すべき、という意見もある。

二死三塁で打者がセカンドゴロ。セカンドはどうする?

三死にすれば得点は認められないので打者のアウトを優先する。
このケースでは、セカンドは一塁に送球。

応用

一死三塁で打者がセカンドゴロ。セカンドはどうする?

三塁走者は一塁または二塁に走者がいないので強制的に押し出されない。
このケースでは、三塁走者が本塁に向かって走った場合は、セカンドは本塁に送球。キャッチャーは走者にタッチする必要がある。走らない場合は、一塁に送球。
もし本塁に送球したが間に合わず、打者が一塁に出塁した場合、野手選択(野選、フィルダースチョイス、Fc)となる。これはエラーと同様で、安打数にカウントされず打数にカウントされる。

無死一二塁で打者がショートフライ。審判はどうする?

ショートが捕球した場合、二塁走者と一塁走者は塁に戻る必要がある。
一方、落球した場合、二塁走者と一塁走者は強制的に押し出される。ショートは三塁に送球し、二塁走者をフォースアウト、二塁に送球し、一塁走者をフォースアウト、もし間に合えば一塁に送球し、打者をアウトとできる。
これは紳士的でないということで、これを防ぐためにフォースアウトが取れる場面で内野フライが上がった場合は捕球、落球にかかわらず、打者はアウトになる。これをインフィールドフライという。
このケースでは、審判はインフィールドフライを宣告し、打者をアウトとする。
この後、落球したらプレーは続くので走者は塁に戻らず次の塁を狙ってよい。
なおインフィールドフライが適用されるのは無死または一死で満塁または一二塁の場合である。

無死一二塁で打者がバントしてピッチャーフライ。ピッチャーはどうする?

この場面で内野フライだと通常はインフィールドフライだが、バントの場合に限りインフィールドフライにならないというルールがある。
したがって走者は塁に戻る。
このケースでは、ピッチャーはわざとワンバウンドで捕球し、三塁に送球しフォースアウトを取り、二塁に送球してダブルプレーを狙う方法がある。

二死二塁で打者がライト前ヒット。二塁走者はどうする?

走者が二塁または三塁にいることをスコアリングポジション(に走者がいる)という。ヒットが出れば得点できる確率が高いからである。
しかし走者三塁ならばともかく走者二塁の場合は本塁突入は難しいケースが多い。
一般に二死の場合は多少危険でも本塁突入を狙う。本塁突入成功の確率が5割、次の打者の打率が3割ならば、突入させたほうが成功する確率が高いからである。
一死ならば次の2人のいずれかがヒットを打つ確率は0.510、無死ならば次の3人のいずれかがヒットを打つ確率は0.657となるため、無理に本塁突入させる必要はない。
このケースでは、次の打者の打率よりも成功率が高ければ、二塁走者は本塁に進塁を試みる。

​無死二三塁でセカンドゴロ。三塁走者はスタートしたが戻ってしまい三塁に二人の走者が。サードはどうする?

​一つの塁に二人の走者がいる場合、前の走者に優先権があるので、後の走者にタッチすればアウトになる。
このケースでは後の走者である二塁走者にタッチすればよい。

作戦

9回裏同点、二死二三塁。ピッチャーはどうする?

打者を敬遠(四球)して満塁にすることを満塁策という。
満塁で内野ゴロだとどの塁でもフォースアウトになるため守りやすい。
また9回裏同点ならば1点を失えば負けなので二人目以降の走者は無視してよい。
このケースでは、ピッチャーは打者を敬遠して、満塁にする。
ただし、ピッチャーのコントロールが悪い、現在の打者が全く打てないなどの要素がある場合は必ずしも満塁策をとらない。

無死三塁で作戦はスクイズ。三塁走者はどうする?

走者が三塁にいるときのバントを特にスクイズバントという。スクイズ(squeeze)は搾り取るという意味。高い確率で得点できるため、こう呼ばれる。
しかし、ピッチャーが作戦に気づき、ボールを外す(ピッチアウト)、空振りする、フライになる、など失敗するケースもある。
このケースでは、ピッチャーが投球動作を起こした瞬間に三塁走者はスタートする。打者はバントをし、その間にホームインする。

無死三塁で作戦はギャンブルスタート。三塁走者はどうする?

打者が打ったら三塁走者が本塁にスタートする作戦をギャンブルスタートという。内野ゴロならばセーフになるかもしれないし、エラーするかもしれない。一方、フライやライナーだとダブルプレーのおそれがある。
このケースでは、三塁走者は打者が打ったら本塁に突っ込む。打者は叩きつけるようにして必ずゴロを打つ。

成績

四打席の結果が、二塁打、バント、四球、三振の場合、打率はどう計算するか。

打率は安打数÷打数で計算される。
安打数は、単打(一塁打)、二塁打、三塁打、本塁打をカウントする。
打数は、安打数の他、三振、ゴロ、フライなどのアウトがカウントされる。四球、バント、犠牲フライ、エラーによる出塁などはカウントされない。
このケースでは、安打数は1(二塁打)、打数は2(二塁打、三振)となり、打率=1÷2=0.500となる。
なお単打を1、本塁打を4と数えた塁打数を打数で割ると長打率となる。